領域代表挨拶
領域代表
千葉大学
矢貝 史樹
本領域で私たちが問いかけたいのは、これまで科学者が作ってきた多様な分子のナノスケールでの形や機能を、分子を集めることで、一桁あるいは二桁大きなスケール、すなわちメゾスケールで実現できないか、ということです。このメゾスケールという領域への拡張により、私たちは作り上げた構造やそれらの動きを、直接みながら研究することができるはずです。また、これらのメゾスケールの構造は、従来の分子のようにそれ以上集合させなくても、このメゾサイズのままでも仕事してくれるのではないでしょうか?
この問いかけに応えるには、当然メゾ領域における分子の集まり方を制御し、そして意義のある構造を作り込まなければなりません。これは非常に挑戦的な課題であり、一見して不可能のように思えます。しかし我々はその糸口となるような成果をすでに見出しています。今回、この糸口をもとにナノサイエンスからメゾサイエンスへの学術変革を起こすべく、メゾ構造を「造る」研究者だけでなく、できるさまを「観る」、それらの物性を「測る」、機能を「探る」、さらにこれらの構造と機能の相関を「考究する」ことができる研究者が集いました。
我々はこれから、メゾスケールにおける構造制御を成し遂げ、さらにそれら「メゾヒエラルキー構造」が織りなす物性と機能を探る旅に出ます。その先にどんなサイエンスがあり、どんなテクノロジーに発展するのかは、我々もまだはっきりと想い描くことはできません。だからこそ本当にワクワクしています。我々と一緒に、メゾスケールの階層性と機能を制し、材料科学の未踏領域へ踏み込みませんか?
皆様の参画をお待ちしています。